不登校特集7 Special Contents

不登校から通信制高校への転入。大学進学は可能か?

文部科学省による通信制高校卒業後の進路調査では、2009年時点でも、18.5%が大学や短大に進学していて、現在ではより高い割合となっていると考えられます。このデータは公立通信制高校や、高校卒業資格取得に専念したコースしかない私立の通信制高校も含めたものなので、学校によっては「3分の2が大学に進学」「40%が大学に進学」「専門学校も含めると9割近い生徒が進学」など、進学率の高い通信制高校もあります。

進学率の高い通信制高校で増加する転入者

卒業後の進路の3分の2が大学進学と回答している、ある私立通信制高校での2010年度の転入者は、在籍者数330名のうち146名と44.2%。2009年度の卒業後の進路で進学が60.3%を占めると回答している私立通信制高校では、転入・編入を随時募集しているため、在籍生徒の80~85%が転入・編入者となっているといいます。

全日制高等学校から通信制高校への転入者は、通信制高校内では特別な存在ではなく、むしろ多数派であることもあるようです。

通信制高校の高い進学率の裏にある、AO入試、推薦入試対策

進学コースを設定している通信制高校では生徒にAO入試、推薦入試を強く勧め、授業もその対策になる傾向にあります。転入前に志望の学部や、学びたいことがあった人は、転入する通信制高校が特別推薦枠を持っている大学について調べてみるのも、選択のひとつの方法です。

また、「受験対策=推薦入試対策」になってしまうために、希望の4年制大学の受験を考えている生徒には物足りない学習内容となってしまい、予備校などに通うダブルスクール状態の生活をしている人も多いようです。

進学後の学力不安を作らない通信制高校を

通信制高校は不登校などの理由で全日制高校に通えない生徒の受け皿として、入学しやすいシステムとなっていますし、単位取得考査についてもテストを受けさえすれば、なんとか単位取得できるように配慮してくれます。そして、推薦入試を利用して大学進学となれば、自分の学力を試す場所を通過せずに大学生となってしまいます。そこで、大学に入学してから根強い学力不安に悩まされるケースがあります。

学力に不安を持たずにスッキリとした状態で大学生の春を迎えるには、自分の学力にフィットした、そしてそれ以上の力を引き出してくれるような通信制高校、学習方式を見極めたいものです。