不登校特集1 Special Contents

環境が変われば不登校は改善されるのでしょうか?

「ウチの子が不登校なのは、今の学校の雰囲気や友だち、先生との相性が悪いだけ。環境が変われば学校に行くはず」。そうお考えの親御さんは多いと思います。しかし、実際のところ、転校しただけで不登校は改善されるのでしょうか?

転校は不登校解決のひとつのきっかけにしかならない

「いじめられている」「先生と相性が合わない」「学校の雰囲気になじめない」など、本人がはっきりと原因を主張している場合、確かに転校してガラリと環境を変えてみるというのはひとつの不登校解決の手段であるかもしれません。しかし、転校した先の学校で再び同じ問題が起きたときに、再度転校するという悪循環に陥る可能性も視野に入れなければなりません。

その不登校の理由は本当なのかを見極める

親、親と同年代かそれより上の先生は、自分が育ってきた時代背景も大きく影響して、「学校に毎日通うのは当然」と疑うことがありません。その結果、子どもが不登校になったときに、原因を強く問いただしてしまう傾向にあります。子どもたちは何か原因を言わなければならないと、「いじめ」や「先生との相性」などと口にしますが、実はそれは原因のほんの一端であって、そこを解消するために転校で環境改善しても解決につながらないケースも多くあります。

平成13年度の文部科学省の調査によると、不登校の要因や背景は、「不安など情緒的混乱」が25.6%、「複合(複合的な理由によりいずれの理由が主であるか決めがたい)」が26.1%、「無気力」が20.5%となっていて、推移としては「複合」の割合が伸びています。加速する情報社会の中で、不登校の要因と背景は複雑化の一途をたどっているといえるでしょう。

いじめから人間不信になっている不登校ケースも

例えば、在学中の学校でいじめにあっていて、それが不登校の原因となっている場合、親は「転校してしまえばいじめはなくなるのだから、学校に行くだろう」と考えてしまいます。しかし、そのいじめが原因で、「またいじめられるんじゃないか」と、人間不信や、他人と人間関係を築くことを怖がる気持ちがお子さんの中に生まれていたらどうでしょう? 転校は不登校の解決にはならないかもしれません。

このように、「いじめ」「先生が合わない」「学校の雰囲気になじめない」などと、お子さんが一言で表現している不登校の原因の裏側は、もっと複雑に絡み合った物でできている可能性があるのです。